空き家問題とリフォーム/リノベーション
増え続ける空き家
総務省が実施した「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、総住宅数の13.5%にあたる約820万戸が空き家となっており、今後、さらに増加すると予想されています。
空き家の中には、適正な管理がされておらず、周辺の住環境に悪影響を及ぽすものもあり、社会問題となっています。そのため、空き家を適正に処分したり、利活用を図ったりする取り組みが必要です。そして、何よりも現在の住まいを空き家にしないことが重要となります。
大切な住まいを空き家にしないためには、どうすればよいでしょうか。
インスペクションをしよう!
インスペクション(建物状況調査)とは、既存住宅の状態・品質を把握するため、資格をもつ第三者が客観的に構造、防水に関する部分、設備配管等について検査・調査を行い、その結果を報告するものです。インスペクションを実施することにより、次のようなメリットがあります。
- 住宅の劣化状況が分かり、適切な時期・費用で修繕計画を立てられる
- 住宅を売却した際に、建物の不具合について買主とのトラブルを未然に防げる
- 買主にとっても、住宅の品質や欠陥の有無が事前に分かり、安心して購入できる
宅地建物取引業法の改正
既存住宅の流通と買主等の利益の保護を図るため、宅地建物取引業者は、既存住宅の売買または仲介にあたり、インスペクション実施の有無(実施している場合はその結果の概要)を買主に説明することが義務付けられるようになります。
インスペクションの実施にあたっては、客観性・専門性が重要であるため、国土交通省では『既存住宅インスペクション・ガイドライン』(平成25年6月)を策定し、検査の質の確保・向上を図り、既存住宅流通の市場規模の拡大を目指しています。
リフォーム/リノベーションをしよう!
リフォームとは、建物の経年により劣化した部分を改修し、機能の回復を図ることで、外装の塗り直しや、キッチンの設備の更新、壁紙の張り替えなどのことを言います。
また、リノベーションとは、既存の建物に大規模な工事を行うことで、建物の経年にともない、時代に合わなくなった用途や機能を変更して、性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすることを言います。
既存住宅のリフォーム/リノベーションには次のような特徴があります。
- 自由設計
ライフスタイルに合わせて必要とする部分に費用をかけることができます。
- 費用
リフォーム/リノベーション費用をかけても新築と比較してリーズナブルです。
- 資産価値
新築と比較して、資産価値の目減りが少なくてすみます。
- 環境
既存住宅を活用するので、環境への負荷が少ないという点もメリットです。
また、リフォーム/リノベーションに対しても所得税や固定資産税について優遇を受けられる場合があります。
近年では、空き家をリフォーム/リノベーションし、住宅や店舗等として活用する事例も多くなっています。こうした取り組みが進み、快適な住環境が保たれる住まい・まちが広がるといいですね。