各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第37回)

人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した住まいを募集し、「ゆとりと安らぎのある住まい」を実現した住宅を表彰する「すまいる愛知住宅賞」も、今回で35回目となりました。

たくさんの素晴らしい作品をご応募いただき、誠にありがとうございました。審査委員による厳正な審査を行い、入賞作品を決定しましたので、ここに発表いたします。

各賞及び入賞者一覧表はこちら(PDFファイル)

 建物名称設計者
愛知県知事賞尾張旭の住まい株式会社濱田建築事務所
 濱田 修
名古屋市長賞山山山ハウスkumo一級建築士事務所
 久保井 聡
 望月 大地
住宅金融支援機構
東海支店長賞
愛知県森林協会長賞
江南の家タソ建築アトリエ
 関谷 涼太
UR都市機構
中部支社長賞
街区の中の家岸秀和建築設計事務所
 岸 秀和
愛知県住宅供給公社
理事長賞
名古屋の石場建て水野設計室
 水野 友洋
名古屋市住宅供給公社
理事長賞
芳野の住宅水谷夏樹建築設計事務所
 水谷 夏樹
佳作外之原の家 ゆるやかな傾斜地に建つみのわ建築設計工房
 箕輪 裕一郎
佳作魚町の店舗と住居伊藤啓輔建築設計事務所
 伊藤 啓輔

総評審査委員長 塚本 由晴

「方丈記」に学ぶー生きるを編み直す小さな建築ー(2121デザインサイト)という展覧会監修者として、私はこの1年鴨長明とその時代に思いを巡らせてきました。長明が生きた12世紀後半は、末法思想の広まリや武士勢力の台頭とともに、大風、大火事、大地震、疫病が立て続けに起こり、その結果貴族たちは都を去って福原へ遷都するなど、京都を中心にした社会が揺れた時期でした。長明はそうした災害、災厄を冷静に記録し、世の無常を説きます。富や家柄を誇示するような家に興味を失い、大原に引っ越すなどしながら、家を縮めていく描写が続きます。最後は京都の巨椋池を遠望する日野山に1丈(10尺)四方の庵を編み、必要な書画や楽器だけを身の回りにおいて、自然の中に暮らしました。800年後の私たちにもこの随筆が響くのは、20世紀後半に拡大した都市が、その住人である私たちの日常に気候危機をもたらし、暮らしや生き方の見直しが求められる時代だからでしょう。

今年の現地審査でも、同じような意識、関心が、建築家と住まい手に共有されていました。4畳半を縦にも横にも斜めに繋いだ、ピアノ、お茶を楽しむ女性の一人暮らし(尾張旭の住まい)、農村と緩やかに繋がる謙虚な平屋でコストを抑え、趣味のゲーム、骨董・民藝を充実させる二人暮らし(外之原の家)、旗竿敷地形状を利用して約60mの距離と中庭を生活領域とした確保した二世帯の暮らし(鶴舞の家)、祖父から受け継いだPCパネル工法の住宅を改修したポリバレント水回りの実験的な暮らし(芳野の住宅)、計画道路開通により敷地を削られ改築された築50年のRC住宅を愛でながらDIYする暮らし(山山山ハウス)、伝統木造工法を広めることの先に構想される地域の製材所の再興と、山と住み手が繋がる暮らし(名古屋の石場建て、江南の家)。広さや、ハイスペックとは異なる、新しい「ゆとり」が、暮らしの想定に編み込まれた住宅ばかりです。

住宅作品の潮目が本当に変わる予感がしました。受賞された皆さんのさらなる活躍に期待しています。

参考

対象

  • 愛知県内において、新築、増築又はリフォーム(増築、改築、模様替えなど、居住環境の向上のための工事)を行った、一戸建て、長屋建て又は共同建ての住宅(増築、改築、リフォーム後に住宅としたものを含む)で、2021年4月以降に竣工したものであること
  • 「安心・安全な住宅」「高齢者に優しい住宅」「環境へ配慮した住宅」など、人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した工夫がなされていること
  • など
審査委員(敬称略)
委員長塚本 由晴東京科学大学
アトリエ・ワン代表
委 員 北川 啓介名古屋工業大学教授
井澤 幸椙山女学園大学准教授
中垣 麻野MAYA建築Lab.株式会社代表
石井 隆司(公社)愛知建築士会会長
安藤 春久(公社)愛知県建築士事務所協会会長
川本 直義(公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会地域会長

歴代受賞一覧

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