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すまいる愛知住宅賞 (第34回)

人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した住まいを募集し、「ゆとりと安らぎのある住まい」を実現した住宅を表彰する「すまいる愛知住宅賞」も、今回で34回目となりました。

たくさんの素晴らしい作品をご応募いただき、誠にありがとうございました。審査委員による厳正な審査を行い、入賞作品を決定しましたので、ここに発表いたします。

各賞及び入賞者一覧表はこちら(PDFファイル)

動画配信は終了しました。
多数のご視聴ありがとうございました。

 建物名称設計者
愛知県知事賞Life In Wood株式会社bandesign
 伴 尚憲
名古屋市長賞赤松の平屋岩間建築設計事務所
 岩間 昭憲
西口賢建築設計事務所
 西口 賢
住宅金融支援機構
東海支店長賞
廻庭の棲家 TSCアーキテクツ
 田中 義彰
UR都市機構
中部支社長賞
団地にアトリエと猫。合同会社ジンバルワークス
 井村 正和
愛知県住宅供給公社
理事長賞
愛知県森林協会長賞
不惑の一棟 望月建築設計室
 望月 成高
名古屋市住宅供給公社
理事長賞
半月の家 佐々木勝敏建築設計事務所
 佐々木 勝敏/藤野 なみか
佳作 鳴海の家 一級建築士事務所 neie
 畠山 博敏

総評審査委員長 塚本 由晴

今年度は26作品と応募数こそ少なかったものの、従来通りの現地審査を実施でき、庭から建物、そして家具や照明器具まで、存在感のある材料で手作りされていて、あらためて愛知県がものづくり県であることを実感することがきた。以下審査で訪れた順に所感を述べる。
「半月の家」は農地が住宅に、さらに工場に変わっていく地域の中で、離れ的に母屋の庭に挿入された住宅。玄関ポーチが掘り込まれた幅の狭い正面から、奥に行くにつれて、幅や床高の変化、屋根の分節、内部の分岐により、多方向に視線が抜ける。全体を束ねる手前ー奥の軸(第一原理)にズレ(第二原理)が重なり、暮らしと絡む余白が生まれる。
「赤松の平家」は、トラスの片流れ屋根が浮いた外観が、水田の中の作業場のようで目を引く。南北の庭を繋ぎつつ2世帯を緩やかに分ける三和土の土間、床下を利用した暖房システム、照明やタオルかけなど設計者自作の銅細工、マウンドを組み込んだ雑木の庭など、設計者と施主による制作への関与が、いかに建築に血を通わせることか。
「廻庭の棲家」は、西洋のペチカと東洋のカンが融合したメーソンリーストーブの熱のふるまいと、土中環境改善による地中の水や空気やバクテリアのふるまいを集めて、健やかな環境を作ることに住宅設計が注力している。そうした目に見えない事物のふるまいを身をもって体感し、自分の言葉で話せる住み手に塀は不要だ。
「不惑の一棟」は文化財である母屋に付属していた作業場の、息子家族の住まいへの改築。日本建築の伝統である軒や瓦屋根や格天井などに、この場所と暮らしへの配慮を重ねた新解釈が冴えている。宮大工建築家だからこその技と知の競い合いが、伝統的建築の新しい可能性を拓く。
「Life In Wood」の1652㎜の長さに揃えられたログの積層は、樹木の成長の結果である繊維方向に長く伸びやかに材を用いる日本の木造建築のセオリーからは外れるが、鉄骨フレームを主構造に、内部間仕切、外壁、ルーバーに、時には隙間を開けて積まれたログのハイブリッド構造は、囲われ感と抜け感のバランスが新鮮。ログがもたらす制約が正方形と正方形の入れ子の隙間に階段を巡らす平面計画を導いており、住宅にもオフィスにも倉庫にもなり得る汎用性がある。鉄骨とログのハイブリットは手間がかかりそうだが、1回きりにせずに続けて試みてほしい。
「団地にアトリエと猫。」50m2ほどの住戸ユニットを丁寧になぞって、妻の創作活動、丁寧な暮らし、猫のふるまいを描き込んでいる。シナ合板の木目をなぞるように独自の紋様を描き加えている妻の作品と似て、リノベーションは既存の建物のなぞり方なのだと教えてくれる、脱成長時代の団地改変。
受賞作となった上記6作品は、従来の住宅設計から一歩踏みだす道を模索していて勇気をもらった。惜しくも佳作となった「鳴海の家」も、正8角形が並列する強い幾何学性が、視線を斜め方向に逃す隅切り窓や立体八の字の回遊動線に活かされて見事。ただ庭との接続は難しく、インテリアに美しくまとまった印象を与えた。 本当に多くを学ぶことができた現地審査に協力していただいた建築家、建主、本賞事務局にこの場を借りて感謝したい。

参考

対象

  • 愛知県内において、新築、増築又はリフォーム(増築、改築、模様替えなど、居住環境の向上のための工事)を行った、一戸建て、長屋建て又は共同建ての住宅(増築、改築、リフォーム後に住宅としたものを含む)で、2018年4月以降に竣工したものであること
  • 「安心・安全な住宅」「高齢者に優しい住宅」「環境へ配慮した住宅」など、人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した工夫がなされていること
  • など
審査委員(敬称略)
委員長塚本 由晴東京工業大学教授
アトリエ・ワン代表
委 員 安藤 春久(公社)愛知県建築士事務所協会会長
川野 紀江椙山女学園大学准教授
北川 啓介名古屋工業大学教授
谷村 留都アールアンドエス設計工房
濱田 修(公社)愛知建築士会会長
森 哲哉(公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会地域会長

歴代受賞一覧

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