各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第33回)
名古屋市長賞
千種の住宅

自然の中で、その日の天気や気分と相談しながら居心地の良い場所をみつけるように、自らの感覚を頼りにその時々の過ごし方を選択できることが、暮らしの快適性につながるのではないか。

敷地は中低層の住居が密集する小高い丘の裾野に位置する。庭を囲む5つの異なるボリュームからなるこの住宅は、それぞれが異なる勾配の屋根と天窓を持ち、1日の光を多様なグラデーションに変換して届ける。外部環境を抽象化して映し出すこの不均質な光の状態によって、多様な居場所をつくり出す試みである。また、敷地の微地形に呼応するフロアレベルと、光と風の通り道である吹抜を設け、要望である防犯とプライバシーを確保するとともに、空間のつながりをつくり、視線の飛距離を伸ばすことを意識した。家族の生活の場としての住宅を、風景を成す自然のフィールドと捉え、住宅に欠くことのできない自然光の現象が、空間に奥行を加える。

住宅にはライフスタイルや価値観の変化に対応できる、柔軟な空間の確保が益々求められているが、同時に建築を使う私たちの感受性も研ぎ澄ませる必要がある。人間が持つ、環境に対する敏感さを、再認識することのできる居場所となることを期待している。

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設計者:鈴木崇真建築設計事務所/鈴木 崇真

講評:審査委員 安藤 春久

千種の住宅の1次審査での印象は、若干の敷地変形を利用したオーソドックスではあるが堅実な平面計画がされている印象を受けた。内部空間については各エリアを5つのゾーンに分け、各々にトップライトと換気用の窓を配し、1階と2階の空間を連続させた事もこの作品が評価された点であった。

特に計画の中でリビングと駐車場との間に中庭を配し、駐車場を外部空間との中間的な空間とし、開放された時には街並みとの融合ができる事も考えられ、単に独立した駐車場ではなく積極的にこの駐車場を生かした計画とした点も評価できる。

また、1次審査では不明であった南側外観が、玄関と駐車場の開口部以外は閉ざされた外観になっており、この閉ざされた外観と内部の開放された空間との差が、より内部空間を豊かなものにしていると感じられた作品で、外部・内部空間も含めよく検討された好感の持てる作品であった。

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