各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第30回)

人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した住まいを募集し、「ゆとりと安らぎのある住まい」を実現した住宅を表彰する「すまいる愛知住宅賞」も、今回で30回目となりました。

たくさんの素晴らしい作品をご応募いただき、誠にありがとうございました。審査委員による厳正な審査を行い、入賞作品を決定しましたので、ここに発表いたします。

各賞及び入賞者一覧表はこちら(PDFファイル)

 建物名称設計者
愛知県知事賞上郷の家吉田夏雄建築設計事務所
 吉田 夏雄
名古屋市長賞L L HOUSED.I.G Architects
 吉村 昭範
住宅金融支援機構
東海支店長賞
竪の家 佐々木勝敏建築設計事務所
 佐々木 勝敏
UR都市機構
中部支社長賞
連棟の家studio velocity 一級建築士事務所
 栗原 健太郎・岩月 美穂
愛知県住宅供給公社
理事長賞
House NI-裏とオモテと境界- 1-1 Architects 一級建築士事務所
 神谷 勇机・石川 翔一
名古屋市住宅供給公社
理事長賞
丁田町の家 co2works一級建築士事務所
 中渡瀬拡司
佳作
愛知県森林協会長賞
加納馬場の家 スミレ設計室
 小林 アツシ
審査委員長特別賞 瑞穂の家 (株)濱田建築事務所
 濱田 修
30回記念大賞 羽根北の家 佐々木勝敏建築設計事務所
 佐々木 勝敏

総評審査委員長 古谷 誠章

すまいる愛知住宅賞の審査委員長を務めて10年目となりました。この間の変化でとても印象的なのは、多くの設計者が繰り返し応募をしてくださり、年ごとに確実にレベルを上げた住宅作品をつくられていることです。この賞がそれに貢献できているのだとすれば、選定に携わる者として、これ以上うれしいことはありません。

今年もそれぞれに個性的で、質の高い作品が集まり、現地審査の対象を選ぶのにも苦労しましたし、最終選考でも大変白熱した議論がなされました。思えば愛知県内には、大都市部あり、住宅地あり、郊外あり、田園部あり、またそのいずれでもない特徴ある多様な環境があって、まさに住環境のショールームのような趣があります。今年の愛知県知事賞に選ばれた豊田市に建つ『上郷の家』は、両親の暮らす母屋、既存の納屋とともに庭の畑をとり囲む敷地にあり、隣家も含めての昔からの環境の中にあって、それらに穏やかに調和する独特の風情がありました。飄々とした顔を持つ家ですが、これが建ったことで、その周辺までもがいっぺんに良くなってしまったように思います。不思議な影響力がありました。

一方、こちらも古い母屋と納屋に挟まれて建っていますが、意欲に満ちたチャレンジの集積によって、見事な住宅を完成させたのが『竪の家』です。外部に対して閉ざした顔を持ちますが、一度内部に入るとその光の美しさは荘厳と言えるほどのものがあります。様々な木の素材、そのプロポーションや質感がバランスよく組み合わされることで、洗練された空間をつくり出しています。

審査委員長特別賞に選んだのは『瑞穂の家』です。恵まれた大きな敷地を活かして、三世代の家族がそれぞれに居心地良く暮らせる住まいが、巧みに組み合わされて構成されています。驚いたのは、この設計者がこれまでに入賞した住宅のいずれとも趣の異なった、力量の幅の広さを見せてくれたことです。

第30回を記念して、私が審査に携わった過去10年間の全入選作品の中から選んだ、そのグランプリとも言える記念大賞は『羽根北の家』(2015年)です。改めてすべての入選作を振り返って、この作品ほどその斬新なアイディアに圧倒されたものはありません。サイズの大きな格子梁によって、木造にしてこんなに大胆な無柱空間が生まれています。視覚的には見通せて繋がっていながら、それぞれに区分されている、見たこともないような住宅でした。この賞が総体として、優れた次世代の設計者を育み、新しいゆとりある住まいの創造を目的とするなら、これはその大きな成果であると思います。

参考

対象

  • 平成25年4月以降に愛知県内で竣工した新築または増築の住宅
  • 「安心・安全な住宅」「高齢者に優しい住宅」「環境へ配慮した住宅」など、人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した工夫がなされていること
  • 現に居住していること など
応募点数
33点
審査委員(敬称略)
委員長古谷 誠章早稲田大学教授
(一社)日本建築学会会長
委 員笠嶋 泰大同大学名誉教授
松原 小夜子椙山女学園大学教授
谷村 留都アールアンドエス設計工房
柳澤 講次(公社)愛知建築士会会長
吉元 学(公社)日本建築家協会 東海支部愛知地域会地域会長
松岡 由紀夫(公社)愛知県建築士事務所協会会長

歴代受賞一覧

ページの先頭へ戻る