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すまいる愛知住宅賞 (第27回)

「愛知ゆとりある住まい推進協議会」が「ゆとりと安らぎのある住まい」を実現した住宅を毎年募集・表彰する「すまいる愛知住宅賞」も、今回で第27回目となりました。

「安心・安全な住宅」、「高齢者に優しい住宅」、「環境へ配慮した住宅」など様々な工夫を始めとし、人や地域にゆとりと安らぎを与えるようなやさしい空間づくりを提案した住まいを大募集しました。

各賞及び入賞者一覧表はこちら(PDFファイル)

 建物名称設計者
愛知県知事賞潜る地層・上る地層倉橋友行建築設計室
 倉橋 友行
名古屋市長賞Secret Garden(株)bandesign
 伴 尚憲
(独)住宅金融支援機構
東海支店長賞
羽根北の家佐々木勝敏建築設計事務所
 佐々木 勝敏
(独)都市再生機構
中部支社長賞
安城の店舗をもつ住宅CO2 WORKS 一級建築士事務所
 中渡瀬 拡司
愛知県住宅供給公社
理事長賞
尾張旭の住宅諸江一紀建築設計事務所
 諸江 一紀
名古屋市住宅供給公社
理事長賞
TOKIN TOKIN(株)濱田建築事務所
 濱田 修
愛知県森林協会長賞緑園生活(株)ワーク・キューブ
 平野 恵津泰・山田 大輔

講評

審査委員長 古谷誠章

 私にとっては7回目となる、すまいる愛知住宅賞の審査でしたが、例年にも増して応募された作品の水準が高くなっているように感じました。逆に言えばそれだけハードルが高くなってしまったのか、応募の総数は若干減ってしまいましたが、応募された作品はいずれもレベルの高い充実したものでした。

 今年もうひとつ審査員としてうれしかったのは、この賞を報じた新聞記事が契機となって、新たな施主と設計者の出会いがあったと聞いたことです。量産される商品化住宅と異なり、アトリエの建築家の住宅は一品生産的で、マスプロモーションの機会はありません。公開審査でのプレゼンテーションや結果としての入賞が、よい設計者に出会いたいと考える多くの人々にとっても、大きな意味を持つのであれば、この賞をお手伝いするものとして大きな喜びでもあります。

 今年現地での2次審査の対象となった作品の中で、7名の審査員が一致して愛知県知事賞に推したのが、大府市の「潜る地層、上る地層」でした。住宅地に取り残されたようにある小高い丘のような旗竿敷地にあり、その敷地条件を逆手に取った大変ユニークな住宅です。この家の最大の魅力は、様々に織り込まれた空間のコントラストです。陰と陽、大と小、内と外、開放的と閉鎖的、縦に伸びる空間と横に広がる空間、等々。心持ちに応じて居場所を選ぶことができます。現実に足を運ばないと解らない空間でした。名古屋市長賞の「Secret Garden」は、田んぼと農業用水に挟まれた敷地に建つ、大らかなランドスケープとのつながりを感じさせる住まいです。一見控えめな外観からは想像できない、スケールの大きい室内空間が内包されています。その他の入選作では、木造にして、完全に無柱のユニークな内部空間を生み出した、痛快な二世帯住宅「羽根北の家」や、変形敷地を気転の効いたプランニングで家族の生活空間を生み出した「TOKIN TOKIN」などに、新鮮な驚きを感じました。

参考

対象

  • 平成22年4月以降に、愛知県内で竣工し、現に居住している住宅
  • ●1戸建て、長屋建て、共同建て
  • ●新築、増築
応募点数
42点
審査委員(敬称略)
委員長古谷 誠章早稲田大学教授・(有)ナスカ一級建築士事務所代表取締役
委 員笠嶋 泰大同大学名誉教授
松原 小夜子椙山女学園大学教授
谷村 留都アール・アンド・エス設計工房
廣瀬 高保(公社)愛知建築士会会長
水野 豊秋(公社)日本建築家協会東海支部愛知地域会会長
朝岡 市郎(公社)愛知県建築士事務所協会会長

歴代受賞一覧

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