各種イベント・コンクール

すまいる愛知住宅賞 (第31回)
愛知県住宅供給公社 理事長賞
蒲郡の住宅

設計趣旨

緑豊かで長閑な周辺環境を気に入って移住する夫婦+子供3人のための住宅である。
計画地は線引き前に山の斜面をひな壇造成されてつくられた住宅地の一画にある空き家で、現在は市街化調整区域に指定されている。設計の依頼を受け現地調査に行くと、前面道路から2m~3mほどの高さに造成された間地石積とコンクリートブロック塀により最大で4mの壁がそびえ立っており、街と分断された閉鎖的な印象を受けた。また、敷地に上ると南側は隣地地盤面が低いこともあり比較的開かれていて遠くに海を臨むことができたが、東側に面する公園や北側の隣家からは見下ろされる高さ関係であった。

隣接敷地との高さ関係を考慮した住環境をつくることだけではなく、石積により分断された前面道路側に対しては緩やかに開放する計画とする事が、この地に移住する家族にとって街や周辺住民との繋がりを生みだすきっかけとして必要だと考えた。

先ず、前面道路に面する石積を全長の半分程度を撤去する事で、街に対して敷地を開放すると同時に駐車スペースを確保した。次に敷地東側に向かって徐々に高くなる腰壁を連続して立ちあげることで適度に仕切られた段状の平面をつくる。最後に道路に向かって片流れの大きな屋根を架けた。大屋根は住宅内部のプライバシーの確保や西日の遮断をしつつ、道路境界際まで伸びた軒先をくぐると内外が緩やかに繋がる居住空間が現れる。壁によって仕切られた内外ではなく、屋根と腰壁によって緩やかに仕切られた内外とすることで、街に対し内部が滲み出るような住宅を目指した。

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設計者:スタジオハルガ/鈴木 貴之

講評:審査委員 谷村 留都

昭和時代、間地石積の造成地に住宅を建てることが一般的。時代が移り、石積みが街並みを閉鎖的にしていることに気が付いた。間口の半分ほどの石積みを崩して駐車場を確保し、段々畑のような構成で奥に行くに従いプライバシーのある空間へと繋がる。1枚の大屋根は閉鎖的な印象であるが敷地境界へと近づくと、突然、内部に人を誘い込むような親近感を覚える。シンプルなプランながらゾーニングができている心地よい住まいである。

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